学校生活ブログ

ミニ学校だより ~ 5/9 初任者研修の授業会場となりました 3年生理科 ~ 

2023年5月13日

南信地区初任者研修授業力向上研修Ⅰの会場校として、本校の理科の授業を上伊那の初任(中学校と特別支援学校)の先生方に参観していただきました。授業学級は3年2組。教科は理科。授業者は教員として6年目、まさに初任者にとっては兄貴分の花村純平先生でした。単元は「化学変化とイオン」 の第2章「酸,アルカリとイオン」。

授業の最初に、前時までに学習した酸性の水溶液に共通する性質を全体で復習した後、「その性質のもとなっているものの正体は何だろうか?」との問いに、「もしかしたらそれはイオンかも?」との予想を立て、「もしイオンだったらどちらかの電極に引き寄せられるはず」の仮説のもと、生徒たちは実験を通してその正体を探っていきました。

実験を始める前に、教卓の前に集まった生徒たちの目は輝き、実験器具を操る花村先生の一挙手一動を真剣に見つめる姿がありました。そして、いよいよグループになって実験開始。電圧計の両極に挟んだ青色リトマス紙に水溶液を慎重に垂らす姿、すると、朱色に染まりながらじわじわと水溶液が陰極側に広がっていく様子を観察しながら、「あっ、マイナス側に引き付けられていくからプラスのイオンじゃない!?」「でも、ちょっと広がり方が中途半端だ・・・。」「もう一回やってみたいな。」など、グループで友達と気づきや考えを率直に伝えあったり、様子を見にまわってきた花村先生に気軽に質問したりしながら、対話を通して学びを深めていくいく姿が見られました。

さらに、感心したのは、その後に行われた初任者による授業研究会。花村先生に積極的に質問する姿、そして、意見交換では、「私が見ていたAさんは〇〇とつぶやいていました。そこから先生の△△な支援が有効だったと思います。」「最初は目を輝かせて生徒たちが少しずつ静かになっていった気がしました。それは□□が原因だったかもしれません。私だったら実験の場面を始めに行ってみて、生徒たちからなぜだろうという疑問をもっと出させてから、自分たちで実験を考えさせてみたいです。」等々、具体的な授業中の生徒の姿を取り上げ、教師の発した言葉や講じた策などと絡め、そして、もし自分が授業を行うとしたら~してみたいという代案を出し合いながら、主体的に、そして意欲的に研究会に参加する初任の先生方の姿がたくさん見られました。

最後に助言者である総合教育センターの中嶋専門主事から、教師や生徒のよさとして、花村先生が授業前に何度も予備実験を繰り返して本時を検討してきたこと、個に応じた言葉がけや支援を随時行っていたこと、そして、生徒が友達同士で支え合いながら落ち着いて学習に取り組んでいたことやiPadをどんどん使いこなしていたことなどを挙げ、改めて、日ごろからの学級づくりや生徒理解、教材研究や教科の専門性を高めるための自己研修などの大切さをお話いただきました。

現行の学習指導要領で求められる「主体的、対話的で深い学び」の実現に向け、このように実際の授業を通して先生方が具体的な生徒の姿を真ん中に置き、対話を通して互いの授業観や教材観、子ども観、さらには教育観を見つめ直したり、更新したりしていくことこそ、私たち教師の研修として一番大事だと感じています。コロナ禍でこうした研究の機会も限られていましたが、ようやくまた可能になってきたことをうれしく思うとともに、このような先生方の研修の場や環境を校長としてさらに大事にしていかなければと強く思いました。

それにしても、初任の先生方、本当に期待できます!そして、今日は何よりも、花村先生、3年2組の生徒たちがまた一つ大きく成長する機会になったことをうれしく思います。