いじめ防止基本方針

平成26年7月策定
令和 2年4月策定
伊那市立高遠中学校

1 いじめの定義といじめ防止に向けての基本姿勢
(1)いじめの定義
いじめとは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」である。そして、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた生徒の立場に立って行う必要がある。
(平成25年「いじめ防止対策推進法」平成29年3月改訂)

(2)本校の基本姿勢
本校では、全ての職員が「いじめは、どの学校・どの学級でも起こりうるものであり、いじめ問題に全く関係のない生徒はいない」という基本認識にたち、全校生徒が「いじめのない安心で安全な学校生活」を送ることができるように、「いじめ防止基本方針」を策定する。
いじめの兆候や発生を見逃さず、学校が迅速かつ組織的に対応するために、「いじめ」に対する認識、いじめに向かわせないための未然防止に取り組む姿勢を全職員で共有しながら、いじめ防止のための基本姿勢として、以下の4点を大切にして取り組んでいきたい。
① いじめを未然に防止する。
ア いじめを許さない、見過ごさない雰囲気づくりに努める。
イ 生徒一人ひとりの自己有用感や自尊感情、他者理解を育み、お互いを思いやる教育活動を推進する。
② いじめの早期発見のために、様々な手段を講じる。
③ いじめの早期発見のために、当該生徒の安全を保障するとともに、学校内だけでなく各種機関や専門家と協力をして、解決にあたる。
④ いずれの取り組みにおいても、学校が家庭等と連携して指導にあたる。

2 いじめ対策のための校内組織の設置
(1)学校内の組織
① 学年会、教務会、職員会議
教務会は週1回を目安に、生徒の現状や指導についての情報交換等について話し合いを行う。学年会、職員会議は月2回を目安に、各学年の生徒の現状や指導について全職員で確認する。
② 生徒理解委員会
生徒指導主事が主催し、週1 回を目安に教務会よりはより詳細に、生徒理解を基盤にして生徒の現状や指導の方向について話し合いを行う。
③ いじめ等防止対策委員会
いじめ防止に関する措置を実効的に行うため、教頭、生徒指導主事、養護教諭、学年主任、特別支援教育コーディネーター等からなる、いじめ防止等の対策のための校内組織を設置する。必要に応じて委員会を開催する。

(2)家庭や、地域、関係機関と連携した組織
① 緊急な生徒指導上の問題が発生した場合は、その場の適切な処理をとるとともに教頭に報告する。教頭は、校長に報告し、校長の指示により敏速に支援体制をつくり、対処する。
② 状況によって、いじめ等防止対策委員会を開催し、敏速な対応を行う。

3 いじめの未然防止、早期発見、早期解決に関する具体的方策
(1)いじめの未然防止
① いじめを許さない、見過ごさない雰囲気づくりに努める。
ア 「道徳の時間」を核とした、命を大切にする心を育む道徳教育の充実
イ 見て見ぬふりをする傍観者をなくし、自分の課題として取り組む生徒会活動の推進
ウ 携帯端末やインターネットの正しい使い方を、家庭とともに考える情報モラル教育の推進
② 生徒一人ひとりの自己有用感、自尊感情、他者理解を育み、お互いを思いやる教育活動を推進し、いじめが起きないような人間関係づくりを大切にする。
ア 生徒の基礎・基本の定着を図るとともに、自己の学びに対する達成感・成就感を育てる「わかる授業」づくり、個々の生徒の実情に応じた居場所づくり
イ 2年生の職場体験学習を核として、学校生活のあらゆる場面でキャリア教育の視点を取り入れる
ウ 全校を対象とした特別支援教育を、という考え方で個に応じた学びや活動を重視するとともに、授業や生活のユニバーサルデザイン化を進める
③ 生徒自らが主体的に校内の良好な人間関係づくりを進める活動を重視する。
ア 「挨拶愛語」が日常的な姿となるような人間関係をつくる。
イ 「いじめ防止」について、積極的に生徒会活動の中で考え合う活動を取り入れる。

(2)いじめの早期発見
ア ふだんから生徒とコミュニケーションをとることを大切にするとともに、全ての職員が生徒の様子を見守り、日常的な観察をていねいに行うことにより、生徒の小さな変化を見逃さない鋭い感覚を身につけていく。
イ おかしいと感じた生徒がいる場合には、学年会や教務会等の場において気づいたことを共有し、より大勢の目で当該生徒を見守る。
ウ 気にかかる生徒の変化を受け止めるとともに、話を傾聴する姿勢を貫く。
エ 学期ごとに「学校生活に関するアンケート」を行い、生徒の悩みを把握するとともに、適宜Q-U を取り入れて人間関係や学級の状況をつかむとともに、校内
「なんでも相談窓口」の活用を促す。

(3)いじめの早期解決
ア いじめ問題を発見したときには、校長以下全ての職員が対応を協議し、的確な役割分担をしていじめ問題の解決にあたる。
イ いじめられていた生徒からは事実や思いを聞くとともに、保護者を交えてどのように解決していくか相談し、そこを起点に解決の見通しを持つ。
ウ いじめていた生徒からは事実や思いを聞くとともに、本人の抱えている問題を的確に把握して指導の方向を定める。
エ 養護教諭やスクールカウンセラー、子どもと親の相談員等と連携しながら生徒の支援を行い、必要に応じて各種機関や専門家と協力して解決にあたる。

(4)家庭や地域、関係機関と連携した取組
ア いじめ問題が起きたときには家庭との連携をいっそう密にして、学校側の取組についての情報を伝えるとともに、家庭での様子や友達関係についての情報を集めて指導に生かす。
イ 学校や家庭にはなかなか話すことができないような状況であれば、いじめ問題などの公共相談窓口の利用も検討する。

4 教育委員会や関係機関等との連携
(1)警察署との連携
いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認められるときは、躊躇することなく所轄警察署と連携して対応する。

(2)教育委員会への報告
いじめにより生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いや、相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあるときなどの重大事態が発生した場合は、速やかに教育委員会に報告する。

5 保護者への連絡と支援・指導
いじめが確認された場合は、関係する保護者に事実関係を伝え、いじめを受けた生徒とその保護者及びいじめを行った生徒とその保護者に対する支援と指導を行う。また、事実確認により判明した、いじめ事案に関する情報を適切に提供する。

6 懲戒権の適切な行使
教育上必要があると認められるときは、学校教育法第11 条の規程にもとづき、適切に,生徒に対して懲戒を加える。ただし、いじめには様々な要因があることに鑑み、懲戒を加える際には、主観的な感情にまかせて一方的に行うのではなく、教育的配慮に十分留意し、いじめた生徒が自らの行為を理解し、健全な人間関係を育むことができるように促す。

7 学校評価の実施
学校評価において、いじめ問題への取組等について自己評価を行うとともに、その結果を教育委員会等に報告する。

※PDFでご覧になる場合はここ(いじめ防止基本方針)から