友だちを思いやり、友だちに感謝の気持ちをもち、いつも笑顔でみなさんがかかわり合う、そんな手良小学校になってほしい…そんな願いでこんなお話をされました。
「お 箸 の 心」
今日は、「お箸の心」という話をします。 昔、あるところに一人の男がいました。その男がお釈迦様に尋ねました。「お釈迦様、お釈迦様。地獄と極楽とはどんな所でしょうか」 すると、お釈迦様は「それでは地獄に案内しましょう」と言いました。 さて、地獄はお昼時でした。赤鬼や青鬼が忙しそうに、食事の準備をしていました。地獄では粗末な料理が出されているかと思っていたら、なんと豪華な料理がテーブルに並んでいました。まもなく、大きな赤鬼が入場の合図の鐘を鳴らしました。 すると、地獄に堕ちた人々が集まってきました。どの人もガリガリにやせています。目はつり上がり、顔色は真っ青でした。たった一つの入口から急いで入ろうとしましたので、転んで泣いている人もいましたが、誰も助けようとはしませんでした。自分の好きな席に座るやいなや、自分勝手に食べ始めました。まもなく、あちこちでケンカが始まりました。 「お前の箸がじゃまだ。どかせろ」 「うるせー、お前の箸こそじゃまだ」…… それもそのはずです。自分の腕よりも長い1メートルもある箸を使って食べていたのですから。20分ほどの食事はケンカの中で終わりました。机や床には、食べ残しのおかずが散らばっていました。
次にお釈迦様は極楽に案内しました。食堂は地獄と同じ形をしていました。もちろん料理も同じです。入場の合図が鳴りました。すると、みんなにこにこしながら、並んで列を作って入ってきました。自分の席に座り「いただきます」の声で食事が始まりました。 周りの人と楽しそうに話しながら、あの長ーい箸を使って食べていました。 みなさん、極楽の人々は、地獄とは箸の使い方が違っていました。さて、どうやって食べていたのでしょうか? それはこうです。 長い箸を使ってごちそうをはさみ、「どうぞ」と言って、自分の座っている向かい側の人に食べさせていました。食べさせてもらった向かい側の人は、「ありがとう」とお礼を言うと、今度は「何がお好きですか」と尋ねて、こちら側の人にごちそうを食べさせていました。お互いに、相手の欲しい料理を箸でつまんであげていました。どの人も、にこにこ顔で、お腹いっぱいになって、楽しい食事が終わりました。食事のあとの机や床も、それはそれはきれいになっていました。 地獄と極楽を見た男が言いました。 「お釈迦様本当の幸せというものが分かりました。ありがとうございました」 それを聞いたお釈迦様は、にっこり笑いながら、うなずかれたのでした。 お話は終わりです。
さて、みなさんは、誰もが、このお話のようなお箸(の心)を持っているのです。大事なのは、そのお箸(の心)をどのように使うかなのです。地獄のように使うか、極楽のように使うか。それはみなさんの心が決めるのです。
友だちを思いやり、友だちに思いやられ、感謝し、感謝され、いつもにこにこ笑顔、今以上に皆さんのクラスが、そして手良小学校がそうなってくれたらうれしいです。みなさんは、具体的にどんなことを心がけて生活していきますか?考えてみてください。 以上で終わります。 |
※ 全文は「メニュー・校長室」に掲載しました。